2014年1月に殿山町自治会が会員向けアンケート(敬老行事・学習活動・サークル活動・ボランティアなど)を行ったところ、殿山町の人々が野菜作りにもかなりの関心を持ち、既に数十人の方々が、実際に取組んでいることが分かりました。この結果を受けて、“殿山共同農場”なるものを発足させ、殿山における「農と福祉と環境を連携した取組み」を始めようという機運が盛り上がりました。
とにかく実行が大事だということで、4月には農地を借用し共同農場をスタートさせました。
初動期(2014~2015)
まず取り組んだのは、埼玉県のシラコバト基金に基づく助成金の申請でした。この申請の中で、会則を定め、活動計画を立て、予算を確定して組織の方向性が明確になっていきました。残念ながら助成金の申請は不合格になりましたが、『自治会とは独立の組織』とし、共同の農作業で野菜づくりに励み、この野菜を手掛かりに殿山の高齢者から子どもたちに至るすべての方々と絆を広げ深めるような活動を目指していくことにしました。
1年目の様々な初体験を基に2年目の活動ではシラコバト基金による県の助成金を頂くことができました。これを皮切りに、以下のように活動領域も広げました。
✔農場の拡充、✔シラコバト講座の開催、✔超高齢者の訪問拡充、✔ちょっとした困り事サポート、
✔収穫祭(シニアマーケット)の開催、 ✔他の地域・団体(岩殿満喫クラブ・環境みらいフェア)との連携・協働
始めての諸課題の連発で一つの活動組織としてなんとか確かなものに仕上げるのに2年を要しましたが、この2年間の活動によって殿山における「農と福祉と環境を連携した取組み」が部分的とはいえ“自分たちの努力で実現できるのだ”という確信を持つことができました。
定着期(2016~2018)
初動期の2年を経て、殿山共同農場は「高齢者の支え合いと農のある街づくり」という旗を掲げて安定した姿勢で活動を始め、東松山市の「まちづくりサポート事業」に応募をして2016年から3年間にわたり東松山市から公的な助成金を得て安定した活動を続けることができました。2018年の2月には、市の環境学習会に「殿山共同農場のお話し」という標題で報告をし、聴いていただいた市民の皆さんからは沢山のコメントを頂きました。
2017年に現在の地に農場を借りて農作業を始めましたが、徐々に対応する地の面積が拡大し、これに対応すべく畝の標準化(幅150㎝に統一)、有機肥料の確保(落葉堆肥・熟成牛糞堆肥・EM菌ぼかし肥)、種苗費の節減(会員が自宅でポット苗を育てる)など、多様な課題に取組み、我々なりの方式を確立できました。
この農地では、ハクビシン・アライグマなど様々な動物が出没し、農地に隣接する林にはタケノコが出てくるようになりました。こうした自然の現象だけでなく、蜜蜂の巣箱を置いてハチミツをとったり、原木にタネを埋め込んで椎茸を育てて採取したりしています。さらにこれらの収穫物に加工を加えて、芋羊羹・大学芋、漬物、切干大根・干し柿、梅ジャム・ブルーベリージャムなど特徴的な商品をつくろうという試みも進んでいます。
こうして収穫した野菜や加工品を殿山の皆さんにお届けするために、まずは朝市(共同直売所)で販売するところから始め、次にサポータ会員の年会費を野菜購入の前払い金と解釈し野菜セットを配布する方式を始めました。これは「殿山流CSA」と呼称し、「殿山コミュニティに支えられる農のあり方」の試みとして始めたものですが、正に共同農場がサポータ会員によって支えられている姿そのものです。
野菜の提供以外に実施している殿山内外のネットワーク活動として、夏祭りへの参加、収穫感謝祭、超高齢者への訪問(野菜付)、困り事サポート(庭木の剪定・ゴミ出しなど)、対外的には岩殿満喫クラブ(高坂)の米作りへの参加、東京荒川区尾久町内会との連携(出張販売)を行ってきました。さらに、きずな基礎講座を開催し、各季節の各野菜の栽培方法、各種の農法、高齢者の健康、蜜蜂の育て方、EM菌などのテーマについて学習しました。
変動期(2019~2022)
農場が発足して5年が経過し、今まで行ってきた農場の運営を基本的に今後も続けていきたいと考えていますが、殿山町および共同農場の高齢化の進展と突如登場した新型コロナ・パンデミックという殿山共同農場の運営にとっても大変な事態がやってきました。
高齢化は前々から分かっていたことですが、殿山共同農場を存続させるためにいよいよ具体的な継承方針を立てなければいけない時期になりました。また、県から1年間、市から3年間公的助成金を頂いてきましたが、そろそろ助成金なしの自立会計でやらねばならないという時期になりました。
そんな時に、新型コロナの拡散は農場運営上様々な影響がありました。農作業においては密閉状態ではありませんので、互いに遠くに居ながらも意味のある共同作業が出来るという有難い居場所となりました。しかし、朝市の開催に当たっては透明シールドの設置、利用者の皆さんにはマスクの着用と距離を取るなどして運営しましたが、それでも朝市の回数を減らすことになり、代わりに注文をとって宅配する『注文販売』を取り入れていきました。また東京荒川区への出張販売は取りやめ、夏祭・収穫感謝祭など重要なコミュニケーションの場は無くなりましたが、時々野菜を手土産に超高齢者宅への訪問やワクチン接種のための移動サポートを実施しました。
コロナにかき回される中、組織改革はスピードを落とし、悩みが深まっていた2022年に、県庁から声がかかり、「シラコバト基金」による助成をもう一度受けることになりました。こうして元気を取りもどし、高齢化や異常気象による諸事態に対応しつつ、役員体制の若返りを実行することになりました。2023年の定例総会(6月)からは新体制が発足し、これまでの10年を反省しつつ殿山共同農場の今後の進むべき道を改めて検討しています。
殿山共同農場は2014年4月に発足以来、今年は10周年目です。今までの我が組織と活動の概要を下表の通りまとめました。
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初動期 |
定着期 |
変動期 |
新体制 |
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年 度 |
2014 |
2015 |
2016 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
2023 |
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農
場 |
農地 |
吉見の畑 |
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東平の畑 |
農地拡大 |
現実的縮小 |
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標準畝 |
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幅150㎝ |
本格実施 |
方式定着の努力中 |
農業方式の 再検討 |
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有機肥料 |
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落葉堆肥 |
熟成牛糞堆肥、EM菌 |
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苗づくり |
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ポット苗会員管理 |
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蜜蜂 |
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1群 |
2~4群 |
5~6群 |
お休み |
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加工品 |
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大学芋・切干大根 |
ママレート |
梅ジャム |
お休み |
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竹藪対策 |
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1m切り |
1m区域観察 |
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ネ ッ ト ワ | ク |
朝市 |
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新型朝市 |
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野菜セット |
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殿山流CSA |
野菜セットチーム発足 |
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注文販売 |
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開始 |
継続 |
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出張販売 |
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東尾久町内会と連携 |
中止 |
復活 |
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夏祭り |
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流しソーメン |
中止 |
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収穫感謝祭 |
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中止 |
復活 |
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子供の薩摩芋 |
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中止 |
復活 |
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超高齢者訪問 |
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新型コロナ対応 |
継続 |
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困り事サポート |
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住民対象・4分野 |
限定版 |
有償化 |
移動サポート |
相談窓口 |
自治会共催 |
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ポール・ウォーク |
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殿山PW |
1回 |
中止 |
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岩殿満喫クラブ |
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連携強化 |
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組
織 |
総会 |
定例総会 |
書面総会 |
定例総会 |
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定例会 |
1~23 |
1~18 |
1~16 |
1~8 |
1~9~ |
1~10 |
1~9 |
1~12 |
1~12 |
1 |
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ニュース発行 |
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1~7 |
8~12 |
13〜16 |
17~20 |
21~23 |
24~25 |
26,27 |
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きずな基礎講座 |
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アンケート |
自治会アンケート |
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会員アンケート |
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会員アンケート |
総会連動 |
各種アンケート |
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イベント参加 |
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環境未来フェア |
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環境学習会 |
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森あそび |
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公的助成金 |
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県の助成 |
市の助成 |
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県の助成 |
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新型コロナ渦 |
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